むらよし農園

面白いことが書ければと。

依存症の恐さ教えます

最近ていうかここ何日か朝起きにくくなってる。
起きた瞬間に疲れてるような嫌な感じ。これがおじさんってこと?
日中も忙しく仕事してるわけでもないし、筋トレだってそんなに追い込んではいない。
そうなるとあれか、酒か。
寝る前に飲み過ぎてるのか。
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今週のお題「眠れないときにすること」
僕は元々寝付きがよくない。ていうかかなり悪い。
なので幼い頃からたくさんの眠れない夜を過ごしてきた。
いつからだろう。眠れないから酒を飲もうとなっていったのは。
でもお酒にはホントに気をつけないといけないと改めて思わされる出来事があった。

母親から電話がかかってきて、あれこれ話していると、
「そうそう、この間Aさんが車で事故ったのよ」と教えてくれた。
Aさんは実家の近所に住む60歳くらいのおじさんである。自分で運転している車で事故を起こして大怪我をしたという。
幸いにも命に別状はなく、誰も巻き込んでいない完全なる自損事故だったようだ。
ぼくは思った。

「飲酒運転だな」

なぜならAさんは毎日朝から酒を嗜み、しらふでいることを見るのはツチノコ見つけるよりも難しいといわれるアル中だったからだ。
そんなAさんなので、集落に住む全員が飲酒運転だと確信していたらしい。
集落の人全員がそう思うってすごいよ。しかも疑うじゃなくて確信されるってどんだけ酒飲みとして信頼されてるのよ。
酒飲みとしての実績すごすぎだろ。
しかもAさんが車に乗ることもめったになかったので(常に酔ってるから)無免許を疑っている人もいたそうだ。

そんなAさんだが、実は飲酒運転ではなかったのだ。

これまでも大事な用事で運転しないといけない時はお酒を飲まずに(当たり前)準備していたらしい。
最低限のモラルがあったことに驚きを隠せないが、ではなぜ事故を起こしたのだろう。


事の真相はこうだ


9月某日
3日後に健康診断を控えていたAさんはとある決意をする。

『健康診断の前日から断酒をしよう』

これまでの健康診断で散々な結果を叩き出し続けてきたAさんは昨年医者に
「これ以上飲酒が減らないのであれば入院になります。あと念のためもう一度精密検査をしましょう。」
と言われている。さすがにまずいと思ったそうだが、ビビッて精密検査はブッチして朝から飲んだくれていたらしい。

そんなことがあって今年の健康診断は少しはマシな結果を出したいと思い、前日からの断酒を決意したそうだ。
そもそも1日断酒をしたところで、昨年から1日も休まずに飲み続けてきた事実は変わらないのに。

断酒はかなりキツかったそうだ。そりゃそうだ。
完全無欠のアルコール依存症なのだから。
僕は依存症の勉強などをしていたのでよく分かっている。基本的に自分の意志でどうにかなるものではない。
しかしAさんはやり遂げたのだ。家から酒をなくして我慢しきったのだ。(断酒前日に全部飲んだそう)

そして検診の当日、意気揚々と車に乗り込んだAさん。
病院のある町まで山道を30分。軽快に車を走らせていた。

しかし突然体に異変が走る。


手の震えが止まらなくなった。
動悸や息切れも激しくなる。


完全なる断酒による禁断症状。


運転をやめればよかったのだが、正常な判断が出来なくなっていたAさんは運転を続け、山の斜面に突っ込んでしまった。

そう。Aさんは飲酒運転ではなく、飲酒しなかったことによる禁断症状によって事故を起こしてしまっていたのだ。
事故の後、免許を返納したAさんは周りの人に、これで運転しなくてよくなったと笑いながら焼酎を飲んでいたらしい。両足骨折しているのに。

電話でその話を聞いた時は少し笑ってしまったが、改めて考えると恐ろしい。
たった1日飲まないだけで車の運転もできなくなるという依存性の強さ。
免許をとられても、いつでも酒が飲めるようになったと解釈してしまうほどに脳を小さくさせる毒性。

やはりお酒というのは恐ろしい。
世界で最も人が死んでいるドラッグはお酒だという話を聞いたことがあるがその通りだろう。

僕は果たしてどうだろう。
もちろん禁断症状などないし、1日や2日飲まないことも年に何回かはある。
あれ?年に何回かしか休肝日ないのヤバくない?
まだ依存はしていない自信はあるが数年前より頻度も量も増えている実感はある。

このままではAさんになってしまう。
よし、なんにもない日は家で飲まない。おそらくダイエット的にもそれが正解だろう。
手に入れろ健康。手懐けろお酒。
せーの、やればできる。


明日はキャンプだから飲んでも大丈夫だね(にっこり)