むらよし農園

面白いことが書ければと。

高知にはまだ清水湯がある

昨夜よく飲んだ割には軽快な目覚めだった。

時刻は7時。

 

まだまだ何でもできる時間。

とりあえず日曜市へ。

 

朝食にタコスを買ってブラブラする。

f:id:murayoshinouen:20220328074146j:plain

f:id:murayoshinouen:20220328074157j:plain



ちなみに手に持っているのはセロリだ。

今回は春菊とセロリをお買い上げ。

 

 

日曜市を歩いて思ったのは、もう完全に春だったということ。

気温というか風というか匂いというか。

 

普段通らない道を通る。普段見ない公園を見る。

そこには桜が咲いていた。

満開の桜が咲いてるのに気付いてなかったなんて。

 

もっとしっかり春していこう。

 

 

家に戻り洗濯や掃除をして、お昼にする。

 

食べ終わると、まことに恥ずかしながら、家に持ち帰った仕事に精を出す。

普段なら家に仕事持ち帰るなんて絶対にしないのに。

年度末め。

 

家でパソコンをカタカタ。

家という究極のリラックス空間。

集中力は長くはもたない。

 

休み休みやっとある程度の形になった。

こんなことなら職場でやっとけばよかった。

 

一段落したところでおお相撲を見る。

 

若隆景と高安の優勝決定戦は、近年まれにみる攻防のあるいい相撲だった。

 

充分に稽古を積んできたことが一目でわかる体と相撲内容。

今場所の若隆景は強かった。

あの体格で正攻法の相撲を取り切るのはお見事としか言えない。

 

本当におめでとう。

 

 

相撲を見たテンションそのままにエニタイムへ行く。

がっちり背中を中心に鍛える。

僕も若隆景のような広背筋を手に入れるぞ。

 

 

しっかりと汗をかき家に戻り晩御飯。

 

最近流行りの脂肪燃焼スープとやらを作って食べた。

すんごい美味しい。ダイエットとか関係なく毎日食べたい。

 

 

さて前置きが長くなったが、ここからが本題である。

 

普段はホテルの温泉やスーパー銭湯に行くことの多い僕だが、今日は高知に残る数少ない銭湯へ。

 

地元民に愛される『清水湯』

 

f:id:murayoshinouen:20220328084922j:plain

 

住宅街の中にポツンと現れるこの渋い看板の明かりが目印。

 

学生時代はよくいっていたこの銭湯。

しばらくご無沙汰している。

 

もう5年ぶりくらいだろうか。

 

懐かしいな。

 

男湯と女湯の真ん中に番台がある王道スタイル。

 

高知県の銭湯は入浴料400円。

普段行くとこの半額以下だ。

 

菅元首相にそっくりな番台さんにお金を払い、着替える。

f:id:murayoshinouen:20220328085426j:plain

 

大分ブレているな。

このボトルキープの量は愛されてる銭湯の証だ。

 

 

浴場のなかにはデッカイ桜の花が活けてある。

湯に浸かりながら花見が出来るなんて雅だな。

そして壁には常連さんたちが詠んだであろう俳句や短歌が貼られている。

 

桜を詠んだものが多かったので、この期間限定の催しなのかな。

桜を見ながらいつもよりゆっくり体を温めた。

 

 

さてこの清水湯のいいところは、サウナがあるところである。

 

別途料金なしでサウナに入れるのはかなりお得である。

しかもいわゆる乾式サウナとミストサウナの2種類あるから恐れ入る。

 

どちらも3人が限度の小さい作りだが、みんななんとなくの順番を守り、気持ちよく使える。

 

最初は乾式がいっぱいだったのでミストサウナへ。

街の小さな銭湯だからと侮ってはいけない。

 

ここのミストサウナは、スチームアイロンを目の前でぶっかけられてるかと思うほどに熱い。

もうとにかく熱い。

 

砂時計も見えないほどに蒸気が充満し、汗なのか蒸気なのか分からないがすぐにびしょびしょになる。

 

室内では僕とおじさんが2人でがっぷり四つ。

大我慢大会の始まりだ。

 

「ヴぅぅうー」

 

「くぅぅぅぅーー」

 

「くぁぁぁぁっぁー」

 

2人とも自然と声が漏れる。

もちろん会話などないが、常にどちらかが叫んでいる状態。

 

最終的におじさんが

 

「たまらんぜよ」

 

坂本龍馬もびっくりの土佐弁を吐き捨てて出ていった。

 

僕もすぐ後を追う。

 

外でキンキンのシャワーを浴びる。

 

「たまらんぜよ」

 

使いどころはここだと思った。

 

 

もう1セットをミスト、その次に乾式サウナへ移動。

 

狭い室内は温度はそんなに高くないが、その分長く入れる。狭く熱源に近いため汗も十分に噴き出してくる。

 

入って目を瞑っていると隣のおじさんに

 

「ちょくちょく来てますよね?」

 

と言われた。

 

 

5年ぶりである。

 

 

しかしおじさんの顔を見るとそんなこと言えず

 

 

「そう・・・ですね。そんなに頻繁ではないですけど」

 

 

と変な嘘をついた。

 

おじさんは嬉しそうに

 

 

「そうでね?何回かみたことあるもん。」と言った。

 

僕は黙って頭を下げてまた瞑想に入った。

 

 

 

しっかりと汗をかいてフィニッシュ。

 

常連さんたちはまだまだ長湯を楽しんでいる。

 

サウナでさっぱりの後はこんなんがいい。

 

f:id:murayoshinouen:20220328091258j:plain

 

最近あまり見なくなったよね。

缶のポカリ。

 

一口の飲んでみる。

 

「たまらんぜよ」

本当に使いどころはここだった。

 

 

 

一気に飲み干すと、中学時代の部活を思い出した。

ポカリって原材料に「エモさ」が入ってたなんて新発見だ。

 

 

家に帰り、早々の就寝。

 

高知には銭湯がもう残り少ない。

どこもいつ閉まってもおかしくないくらい高齢化してる。(人も建物も)

そんななかまだまだ元気そうな番台さん見れてよかった。

 

そうだ、高知にはまだ清水湯があるじゃないか。

そんな気持ちになるいい時間だった。

 

 

きれいな温泉や大浴場もいいけど、こういう古いし衛生的にはちょっとアレだけど、人情にあふれた銭湯も悪くないんだよな~

 

むらお