むらよし農園

面白いことが書ければと。

昔々、海賊を目指していた頃 ~前編~

あの娘の日曜日は昼から始まる

パパの知らないタバコに 火をつける

時計代わりのテレビ 寝ぼけて見ながら

ジーンズ穿いてなんとなく 考える

1日ゴロゴロ して過ごすのも悪くはないよね

 

SPARKS GO GO 『Sandy's Sunday』

僕が日曜日になると聞きたくなる曲だ。

 


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こんなセクシーな声で僕も歌えたらな。

 

 

「うぅぅぁああぁぁァ」

 

セクシーな声とは程遠い僕のうめき声が部屋中に響き、6時に起床。僕はSandyのように昼まで寝たりはしない。

『早寝早起き朝ごはん』この小学生のような目標が僕(33歳)のこの夏の目標だ。

 

ハムトーストサンド

だが大人なので、日曜の朝食は喫茶店へモーニングを食べに行く。

具はハムとキュウリとだけである。なのになんでこんなに美味しんだろう。

家でも作れる材料なのになー

 

ドリンクはミルク頼んじゃう。大人なのにね。

ミルク

これこそ家で飲めばいいのに。

喫茶店で飲む氷の入った牛乳ってなんであんなに美味しいんだろう。

 

満腹で店を後にする。

さぁ何しようか。洗濯に掃除にブログにワンピースに・・・

 

気が付けば昼過ぎまでワンピース読んでいた。

同僚に借りた90巻から99巻。

 

僕はおそらく87巻くらいから読んでないと思われるが、その空白の3巻分は見聞色の覇気でカバーした。

なにがなんやら分からなかったが、それでも面白いんだからワンピースはすごいな。

 

 

僕も昔、海賊を志したことがある。

痛いやつだと思うかもしれないが聞いてほしい。

 

あれは中学2年生の頃。

 

大きな台風が過ぎ去った翌朝のこと。

 

マグロのバイトも休みだし、用事はないけど友達の家にでも行こうと家を出た。

 

僕の家は海のすぐそばで、海沿いの道を歩いて友人の家に行く。

その道中。

 

一艘のボートが岸に流れ着いていた。

 

普段はその場所にはボートなどない。

潮が引き、干上がった海岸に寝転がっている。

 

僕はざわざわする胸を抑えて友人の家へ走った。

 

「あのボート、拾えるんじゃね?」

 

バイクも車もすっ飛ばして、いきなり船を手にすることが出来るかもしれない(犯罪)

そんな夢のようなチャンスに心躍らせて友人の家に到着。

 

そこはたまり場になってる家で、すでに何人かの友人が集合していた。

 

僕はみんなに

 

「海岸に船が落ちてるぞ」と大声で言う。

 

「マジ?」「やべえ」「行こう行こう」

みんな大興奮で急いで海岸へと向かった。

 

さっきと同じ体勢で船は転がっている。

 

車通りも人通りも少ないここじゃ当たり前か。

 

僕らはまず船を観察することに。

 

おそらく余裕を持って大人4人は乗れるくらい大きい。

船体に目立った損傷はない。

そして普通、船には船体識別番号というものが打刻されているが、この船にはない。

ないというか、塗りつぶされてるのか?

 

なんとも怪しい船ではあるが、僕らはバカなので、この船をみんなの船にすることにした。(犯罪)

今はまだ潮が引きすぎているので、午後から乗ってみようということで一度解散。

 

それから家に戻り昼食を食べ、約束の時間になるまでドキドキしっぱなしだった。

 

そして再集合の時間。

海パンに上半身裸という理想的な格好の中学生4人で出港することにした。

 

自分ちの船からオールをかっぱらってきて、いざ出港。

岸から離れ、船が完全に海に浮いた瞬間の興奮はいまだに忘れられない。

大人なし、自分たちだけで船で海に出てる。

この現実に脳みそが沸騰しそうなほどテンション爆上がり。

 

 

船はしっかりと浮いているし、漕げば進む。

それだけで楽しかった。

大声で掛け声をかけながら漕ぐ。気持ちよかった。

 

30分くらい湾内をウロウロしてその日の航海は終了。

 

岸に上がり、流されない位置に船を運び、固定する。

 

僕らはこの船のことを『武蔵丸』と名付けた。

今の僕の観葉植物の名前でもある(どんだけ好きやねん)

 

興奮冷めやらぬまま、また友人の家に行く。

僕らの夏の予定は全て書き換えられた。

そう。

僕らの夏休みはこの武蔵丸を軸に活動することに決まったのだ。

 

ひとまずはこの湾内を制すことからだな。

 

武器の調達も必要だ。(いらん)

釣り具は十分に持っている。食料も何とかなるだろう。

僕らの航海はこの小さな集落から始まる。

ルフィだってそうだったじゃないか。

 

 

海賊王に俺はなる!!(集落の湾内限定)

 

つづく