むらよし農園

面白いことが書ければと。

【洒落怖】本当にあった怖い話【自己責任】

夏なのでひとつ怪談でも。

これはガチノンフィクションの僕の体験談。

今思い出しても恐ろしい。

読み終わりにどんな気持ちになっても、自己責任でお願いします。

 

 

あれはとにかく蒸し暑い夜のこと。

 

飲み会を終えて、いつもより大分早めに就寝した僕だが、タイマーにしていたエアコンが切れて、その暑さに音を上げる形で目を覚ました。

 

時計を見ると2時半。

 

うっすら汗ばんだ体を不快に思いながら冷蔵庫を開ける。

 

まともな飲み物はなく、仕方なく僕はビールを手にした。

 

エアコンを入れ直したとはいえ、まだ暑い部屋に嫌気がさし、外に出ることに。

 

玄関を開けて一歩外に出た瞬間

 

 

「涼しい」

 

さっきまでの蒸し暑さが嘘のように涼しい。

それにいやに静かだ。

 

『プシュッ』と缶を開けて、キンキンのビールに口をつける。

美味いな。

 

僕は歩いて、マンションの非常階段のほうに移動した。

ここは滅多に人が通らないし、月が見える。

 

 

その日は美しい半月だった。

階段に腰かけてビールを飲む。

静かでいい時間・・・と言いたいところだが、何か変な感じがする。

 

なんとも言い難いが、いやーな感じが漂っていた。

蒸し暑いはずなのにいやに涼しいのも変だ。

 

 

霊感があるかないかと言われると、全くないとも言い切れない。

これまでも心霊現象のようなことはいくつか経験してる。

 

それでもそんなに敏感でもないので、はっきり霊が見えたとかはない。

 

でも『嫌な空気』はわりと感じてしまう。

この日はまさに『その嫌な空気』が漂っていた。

 

 

早いとこ飲み干して部屋に戻ろう。

 

そう思い、グイっとビールを煽っていると

 

 

 

『カツカツカツカツ・・・』

 

と、ヒールのような足音が聞こえてきた。

 

こんな時間に?

 

この付近は、飲食店やコンビニもなく、夜中に人通りがあるような場所ではない。

嫌だな。

 

 

耳を澄ませていると、どうやらこの非常階段を上がってきているらしい。

 

僕は嫌な気配が増していくのを感じた。

こんな時間にこの非常階段を使う人がいるのか?普段からほとんどの人が使ってないのに。

ましてや女性がこんな暗い階段を使うかな・・・

実際の非常階段




 

早くこの場から逃げ出したい。

よくないことが起きそう。

 

そう思うも体は動かない。

 

そうこうするうちに、ヒールの音は近づいてくる。

 

 

「カツカツカツカツカツカツカツカツカツカツ・・・・」

 

足音は大きくなり、ついに僕のいる階までやってきた。

階段にくっきりと人の影が出来る。

女性はすぐそこまで来ていた。

 

 

僕は踊り場の隅の方に寄り、通る人に背を向けるようにして立っていた。

「何事もなく通り過ぎますように」と祈りながら。

 

 

「カツカツカツ」

 

 

響いていた足音が僕のすぐ後ろでぴたりと止んだ。

 

 

 

すると

 

 

 

 

 

 

「イヤァァァッぁぁぁ」

 

 

 

 

 

という叫び声が。

 

 

僕はとっさに振り返る。

 

女性は僕の方を見ながら、ひどく怯えた顔で階段の上を走り去っていった。

 

 

 

そうか。

 

分かった。

 

僕はずっと何か嫌な気配を感じていた。

 

そしてそれは何かが僕に迫ってくるんだと思っていた。

 

階段を上がってくるのがそのナニかかと思っていた。

 

 

 

でも違った。

 

 

 

多分そのナニかは始めから僕に憑いていたんだ。

 

 

 

さっきの女性の怯える顔を見て確信した。

 

僕によくない何かが憑いている。

一体どこから憑いてきていたのか。

 

このままここにいても怖いままなので、とりあえず部屋に戻ることにした。

ぬるくなったビールを飲み干して。

 

 

 

部屋に戻り玄関にある鏡に映る自分の姿を見て絶句してしまった。

 

 

なんと僕は・・・

 

 

 

 

 

 

 

上半身裸だった。

 

 

 

 

寝ているうちに無意識に服を脱いでいて、そのまま外に出てしまった。

 

 

そらこんな夜中に、30オーバーのゴリラみたいなやつが裸でビール飲んでたら悲鳴の一つや二つあげるやろ。

 

 

その後、僕は警察を呼ばれるかもと怯えながら、布団の中で震えて寝ました。

 

僕に憑いていた恐ろしいナニかとは、露出願望でした。

 

 

 

大変反省しています。

もうこのようなことが二度とないようにします。

 

信じるか信じないはあなた次第です(真実)